top of page

きょうのワイン

有留 拓人
11 分前
読了時間: 5分

グロワグロワのワイン担当、ありどめです。


ワイン担当と言っても、シェフ栗山がオールラウンダーとしてあくせく働くその脇で、細々と何かしらやったりやらなかったりという、お手伝いさん的な呑気なポジションです。


そんな私は日々ワインの試飲会に行っては、お店で扱うワインを探しています。

自分にとっては普通のことで、仕事の一部。


とはいえ休日に行くことが多いので遊び半分、というか趣味みたいなものです。


で、グロワグロワで扱うナチュラルワインのあれこれをちょっと綴ってみようと思います。


---


きょうのワイン

「Cabernere 2018 / Il Moralizzatore」


きょうのワイン。Cabernere 2018
きょうのワイン。じわうま、個性もある。


イタリアのワイン銘醸地、ヴェネト州の赤ワインです。


ワインをお客様に説明するとき、まあ順当に言うとまず産地、土地の特徴、それから品種、造り手さんの情報、醸造方法…といった流れでお話させていただくことが多いですが、そもそもそこまでお詳しい方が多いわけでもなく、私も正直メチャクチャテクニカルな話はできません。


あくまでかいつまんでお伝えしましています。

小さなビストロのなんちゃってワイン担当ですので。


ただまあ自分がワインをどうやって頭の中で整理しているかを改めて考えてみると、おそらくそういう順に記憶していると思うのです。


で、このワインですが、ヴェネト州はイタリアの北です。

ヴェネツィアとかがある、あの辺り。


ヴェネトの赤ワインと言うと個人的に「アマローネ」という有名ワインに思い出がありまして、ワインが好きになった明確なきっかけとなったワインです。


そのワインは、少し独特な製法を用いるゆえの重厚さと果実味の奥深さがとにかく衝撃で、当時ワイン★ド素人キッズだった私の閉じていた感覚の扉を力ずくでこじ開けてきました。

ほとんど無理やりに開花させられたような、そんな経験でした。


初体験というのは何事も印象的なものですので、ヴェネトの赤ワインと聞くとそういうクラシックで気位の高そうなワインを今でもイメージしがち。


特にこのワインはブドウ品種もカベルネ・ソーヴィニョン主体。

これも非常に有名な品種ですが、大雑把に言うとガッチリしたボディの、THE赤ワイン、によく使用される品種です。


だけれども、このワインは違いました。


そういう力強い品種とは思えない素朴さがあり、ともすると重いワインに感じがちな飲みづらさというか、カドがありません。


ワインだけではなく、コーヒーやお茶の渋みの由来となる成分を、タンニンと言いますが、このタンニンが緑茶を思わせる繊細さ。

私は昔からハンバーグだの、オムライスだのが好きなお子様プレート野郎なので、そんな食の好みで日本人ヅラするのは気が引けるのですが、きっとこうした繊細さが日本人の舌に馴染みの良い味わいな気がします。


カベルネ・ソーヴィニョンを軽やかに仕立てるワインはたしかにあります。

ですが、個人的にはそうした軽いカベルネワインたちは、カベルネが持っている特徴のひとつ「青み」が少しだけ強く目立ちすぎるものが多いな、という印象があります。

クセモノ好きの私としては、それはそれで大いにアリなのですが、このワインはそうした部分も非常にバランスが取れています。


その青みが、ワイン全体を引き締めるような。


同時にもう一つ、品種の特徴である「カシス」のような果実味も良い塩梅です。

カシスと聞くと酒飲みとしてはカシスリキュールを真っ先に思い浮かべるでしょう。そのハズです。間違いない。ゼッタイ。


でもこのワインは、濃ゆく凝縮したようなクレーム・ド・カシスとはちょっと違う、もっとフレッシュなカシスをイメージさせてくれます。フレッシュなものを食べたことはないけれども。

要するに、タンニン同様に繊細で、なんとなく小粒な実のイメージの果実感。


この青さと繊細なタンニン、果実味が、気取らず、素朴なワイン。

それがこの「Cabernere 2018」です。


私はこの造り手さん「Il Moralizzatore」を今回初めて知ったのですが、調べると有名な造り手「ビアンカーラ」に啓発されたそう。


ビアンカーラといえばナチュラルワイン界隈では有名かと思います。

確かビアンカーラ自体はグラブネル(グラブナー)に影響を受けていたはず。


グラブネルといえばオレンジワインのブームのきっかけとなった、超有名生産者。


味わいで言うと、グラブネルのワインとこの「Cabernere 2018」が直接つながるイメージはちょっとつかないですが、辿ってみると興味深いものがあります。


そうした数珠つなぎで今日はこのワイン、明日はこのワイン、みたいに飲んでみたら…


楽しそうだけど破産しますね。


ところで、夏休みがシーズンが終わったと思ったら、シルバーウィークで再び大型連休。

対する我々飲食業界は定休日も返上して営業するわけです。

世の方々へのネタミソネミがつのる今日このごろ。


日頃シェフ栗山から、散々「お前もブログを書け」と言われ続け、のらりくらりかわしてきたのですが、そういった負の感情を逆にエネルギーに変えて、ここはひとつ書いてみよう、というわけで書いてみたわけです。


しかも、SEOもくそもなく、古き良きオールドスタイルのブログです。


ただ悲しいかな、あまりここ数日ワインのご注文の動きが鈍い…。

そうした意味で、この連休には期待ですが、そんなときでもこのワイン、実はもう一つ、お店にとっても、飲み手にとっても良い特徴があるんです。


抜栓後でも数日は大丈夫。


ワインって早く飲まなきゃと思ってらっしゃる方も多いと思います。

特にナチュラルワインは酸化防止剤をゼロ、それでなくてもごく少量、といった造り手さんが多いので、ものによってはすぐに、独特のちょっぴり嫌な風味が出ちゃうこともあります。


でもこのワイン、大丈夫です。

飲食店にとって強い味方。


畑仕事から醸造まで、丁寧に、清潔に、時間を惜しまず仕事をされる方のワインは、本当にすごいなあと思います。


---


ありどめ調べのワインメモ


Copernere 2018

Il Moralizzatore


Biodynamie

火山岩・玄武岩 野生酵母

除梗、ノンフィルター、

ステンレスタンク醸し、発酵

圧搾後ステンに戻し1年熟成

2010スタートの造り手 (インポーター Vinaiotaさま)

 
 
 

コメント


bottom of page