「私感 ナチュラルワインとクラシックワイン」
こんにちは。グロワグロワ、ソムリエの有留です。
9月に入り、なんだか急に気温が下がった気がします。
秋の気配に期待せずにいられない今日このごろ。
何に期待って、食欲の秋です。
めしといえばワインです。
そして私はナチュール(=ナチュラルワイン)が好きです。
でも、このナチュールとそうでないワインの「垣根」を感じる機会が多いのです。
そもそもナチュールとはなんぞや、そうでないワインってなんじゃという話ですが、今回はそのあたりをやんわり書いてみようと思います。
テクニカルでアカデミックな記事なり書籍は世にごまんと溢れていますので、あくまで私個人の視点、そしてグロワグロワでお客様と接する中で感じることを中心に…。
目次
そもそもワインって
どんなイメージでしょうか?
当店にご来店のお客様はワインを楽しみに(も)来てくださる方が多くいらっしゃいます。
ありがとうございますm(_ _)m
でもこの記事はきっとそうでない方も読んでくださるかも知れない。そもそも誰も読まないかも知れない…。
というわけで無責任に私のワイン感をつらつらとご紹介して、グロワグロワってこんな気軽にワイン飲めるんだ〜→行ってみよ。
という流れを目論んでこの記事を書いてみます。
お高い
「この人が美味いって言うならこれは美味いワインなんだ」
私は最初そんなふうにワインを飲んでました。
ワインを飲み慣れない方はワインって高いし…というイメージあるんじゃないでしょうか?
お値段もそうですし、なんとなく「お高い」、そんなイメージ。
私も確かにそうでした。
ちょっと高級な嗜好品で、味の善し悪しなんてわからん。
仕事で扱うから数はひたすら飲みました。でも人の意見や感想を頼って、自分のふわふわした味覚を信用せず、この味はこういう表現をするんだとか、このぶどう品種はこういうワインになるんだとか、ひたすら頭で考え、知識が先行。
しかしある日、そうした頭でっかちの脳天をぶん殴るような衝撃の、純粋に美味いと感じるワインに出会ったんです。
高いワインでした笑
身も蓋もないですが、価格は大事です。
もちろんリーズナブルなワインも大好きです。好みのワインもいっぱいあります。
でもちょっと冒険して飲んだそのワインが、結果的に私のワインの裾野、あるいは幅みたいなものを広げてくれた事実。それはすごく大きい出来事でした。
手間ひまかけて生産者さんが作ってくれた奇跡の液体ですから、その手間がかかればかかるほどお値段もするってわけです。(べらぼうに高いのは別の要因もあるそうですが)
どんな液体
ワインの原料は、ぶどうのみ。
基本はコレです。
日本酒やビールは原料に水が加わったりしますが、ワインはシンプル。
農家さんが丁寧に丁寧に育て、ぶどうの品質をとにかく高める。
そしてその果汁、皮、種、時には枝までを独自のバランスで醸造してワインに変えます。
ワインは農作物なんて言いますが、そゆことです。
すごくないですか?
ナチュラルワイン
じゃあナチュラルワインって何?
ワインをナチュラルワインとクラシックワインに分けること自体間違いなんですが、ひとまず置いときます。
定義?
各国で定義があったりなかったり、あるいは特定の認証機関が保証していたりするのですが、日本で使われる「ナチュラルワイン」「自然派ワイン」「(ヴァン)ナチュール」などのワードは、現状では厳密さにいまいち欠けるというのが実態な気がします。
ただ多くの方がポイントしてるのは
化学肥料、農薬を極力使わない
酸化防止剤を極力使わない
培養酵母は極力使わず、自然酵母で発酵させる
できるだけ手摘み
上記の点かと思います。
私感
全部を厳格に守ってこそナチュールじゃい!極力とか日和ってんじゃねえやい!という方もいるし、もう少し柔軟に幅をもたせた考えの方もいます。
個人的には結果的にナチュラルな味わいのワインが好きなのであって、絶対農薬やだとか手摘みじゃなきゃやだとかではないです。
実体験としては、そうしたワインのほうが好みの味わいのものが多いとは感じます。
ただ最近はナチュラルワインの流行もあって、その単語が一部ファッション化した、いわば誤用もあると聞きます。難しいですね…
なので当店では無理やり全てナチュールと謳わず、ナチュラルワインとそうでない(あまり定義を気にしない、ただの「好み」な)ワインが混在するスタイルです。
大目に見てくださいm(_ _)m
クラシックワイン
よくナチュールの対義語的に使われる感のあるカテゴリー。
でもナチュラルなクラシックというものだって存在するのであくまでここでは、「いわゆる」なイメージについて想像してみます。
定義?
定義があるんかいという気もするのですが、ナチュールがモダン側とすれば、その対義語という位置付けかと思います。
ナチュールのときに上げた定義の逆、というわけでは決してないのでここでは定義ではなく「The・クラシック」な地域のイメージの例を上げてみます。
ボルドー
カリフォルニア
シャンパーニュ
めちゃくちゃ無理やりな気がします…
この記事、止めといたほうが良い気がします笑
私感
一言でいうと風格のあるワイン。長い歴史に裏打ちされた厳格さ。
品質にブレがなく、練り上げられたワイン。
舌がびっくりするほどの、ものすごく複雑な味わい。
高貴〜\(^o^)/
それから熟成のポテンシャルがめっちゃ高い。その分若いヴィンテージはちょっとカタイ。
あくまでイメージです。
むりやり比較
比較してよいんか?
でも現実比較される場面は多いと思うので、むりやり比べてみようと思います。
味筋
ナチュールは、軽やか、軽快なものが多いですが、同時に驚くほど個性的なものも。
とにかく幅が広い。
ぶどうのみの原料からこんなに味わいの幅があるなんて、といつもほんとに驚かされます。
味わったことのない味に出会える刺激的な飲み物です。
ちなみに度数の低いものも多め。
クラシカルなワインは先述の通り、その造り手とその土地の伝統、歴史の重みを感じさせるブレのない味。
土地や伝統、歴史はナチュールもそらそうなんですが、素朴なナチュールとは明らかに異なる重層的な味はその蓄積されたものの重さそのままだと感じます。
価格
これもあくまでざっくりですが、
ナチュラルワインはまあまあ高め。(グロワでは小売価格で3000円〜6000円が中心な気がします)
クラシックワインは手頃なもの〜めちゃくちゃ高額なものまで幅広め。(2000円〜プライスレス!)
雰囲気
ナチュールはみんなでワイワイ。ピクニックにも最適。家飲み最高!
クラシックワインはお料理と一緒に。飲む前に抜栓しておいたり、ちょっと準備したい。
なんで好みが分かれるんじゃい?
ナチュールは土地や造り手さんの個性が爆発したワイン。よって、良くも悪くも振れ幅があります。
同じ土地、同じぶどう品種でも造り手さんによって水のように飲めるサラサラのものから、ぶどうがそのまま詰まってるような濃厚なもの、あるいはとんでもなくスパイシーなものまで。
対してクラシックワインは積み上げられたその土地ごとの実績と歴史で、ある程度常に品質と味の方向性が保たれています。
その長い歴史に親しんだ方ほど、ナチュールを飲んだときに自分の中の「この土地のワイン」のイメージとのギャップに違和感を覚える方もいるのでしょう。
また、ナチュールは酸化防止剤を入れない、あるいは少量のみにとどめる造り手さんが多いです。
これはワインの保存に際して直接的に影響することが多く、時には雑味や臭み、その他のネガティブな要素の要因にもなり得ます。
この点において、ナチュールを前提として守られるべき「最低ラインの品質」に達していないと判断される方も多いように感じます。
(もちろんぶどうの品質や醸造設備の衛生管理などでデメリットを解決するナチュール生産者さんも多くいます)
けつろん
垣根をなくそうよ!とか、どっちが良いとかじゃないよ!じゃなくてあえて分けて考えるのが良いのではないかと結論付けてみようと思います。
日記のようなこの記事を書きながらまとまりなく考え続けてみて、ナチュールとクラシックワインの対比は面白いなと再認識しました。
少なくともお店としてうちはこういうワインばっかり置いてるんです、の方がお客様にはわかりやすいのでは?
飲酒以外にも娯楽が多様化し、健康志向の高まりで人々のアルコール離れもすすむ中、好きな人にはぶっ刺さる、そんな嗜好品。それがワイン。
ワインと一括りにしがちだけど、幅は広い。
歴史あるクラシックワインにナチュールの幅が加わった、くらいのゆるい認識で、その中からご自分の好みを探るのが良いのではないでしょうか。
グロワグロワでは
グロワグロワは豚肉専門料理店。そしてナチュラル(な味わいの)ワインがたくさんあります。
クラシックワインはほんのちょびっと。
ご提供はグラスでもボトルでも。
グラスワインは「ハーフ」もやっていて、ご自分の好みを探りたい、いろいろ飲みたい、そんな方には特におすすめです。
普段ワイン飲まない方、スタートはグロワグロワでいかがでしょうか?
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