パテ・ド・カンパーニュに合うワインは?ビストロ店主が考える合わせ方


パテ・ド・カンパーニュに合うワインは?ビストロ店主が考える合わせ方
「パテには赤ワイン」というイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。
もちろん、パテ・ド・カンパーニュと赤ワインは定番の組み合わせです。
でも実際には、白ワインやオレンジワインなど、パテは意外と幅広いワインと楽しむことができます。
浅草・観音裏で豚肉料理とナチュラルワインを扱うグロワグロワでは、ワインを選ぶときに「肉料理だから赤」とはあまり考えません。
大切なのは、その料理が持っている旨味、脂、塩味、スパイス、香りと、ワインの酸、果実味、タンニン、香りをどう組み合わせるか。
今回はパテ・ド・カンパーニュを例に、料理からワインを考える合わせ方をご紹介します。
目次
そもそもパテ・ド・カンパーニュはどんな料理?

パテ・ド・カンパーニュは、フランスの伝統的なシャルキュトリーのひとつ。
豚肉を中心に、レバーや脂、スパイスなどを合わせ、型に詰めて焼き上げます。
ワインとの相性を考えるうえで注目したいのが、
肉の旨味・脂・塩味・スパイス・香り。
単純に「豚肉だから赤ワイン」というよりも、こうした料理の要素をワインとどう組み合わせるかがポイントになります。
さらに、パテに添えられるマスタードやピクルス、パンなどもワインとの相性に影響します。
料理単体ではなく、一皿全体を見ながらワインを考えてみると、選択肢はぐっと広がります。
パテとワインを合わせるなら「酸」がひとつのポイント
パテを食べたあと、口の中には豚肉の旨味と脂の余韻が残ります。
そこに適度な酸を持つワインを合わせると、口の中がすっと切り替わり、また次のひと口を食べたくなります。
そのため、パテに合わせるワインを考えるとき、私たちは「赤か白か」よりも、まずどんな酸を持ったワインなのかを見ることがあります。
特に脂のしっかりしたパテの場合、果実味やアルコール感の強い重たいワインを合わせると、料理とワインの両方が少し重く感じられることもあります。
反対に、フレッシュな酸を持ったワインなら、パテの脂を受け止めながら、食事全体を軽やかに進めてくれます。
赤ワインなら、重ければいいわけではない

パテ・ド・カンパーニュと赤ワイン。
これはもちろん王道の組み合わせです。
ただし、「肉料理=濃くて重たい赤ワイン」と考える必要はありません。
例えば、タンニンが強く重厚な赤よりも、酸があり、果実味の軽やかな赤のほうがパテと気持ちよく合うことがあります。
豚肉の旨味には寄り添いながら、脂を重く残しすぎない。
そんな赤ワインは、パテを食べながら何杯かワインを楽しみたいときにも合わせやすいタイプです。
実は白ワインもパテに合います

「肉料理なのに白?」
と思われるかもしれませんが、白ワインも十分に選択肢になります。
特に、しっかりとした酸がありながら、ある程度の厚みや旨味を感じる白ワイン。
パテの脂を酸が受け止めつつ、豚肉の旨味を邪魔せずに楽しむことができます。
また、パテにピクルスやマスタードなど酸味のあるものが添えられている場合には、それらとのつながりから白ワインを選ぶこともできます。
「肉の色」にワインの色を合わせるのではなく、料理の味わいや香りからワインを選ぶ。
そう考えると、パテと白ワインの組み合わせもそれほど意外ではありません。
オレンジワインという選択肢

パテと合わせて面白いのが、オレンジワインです。
オレンジワインは白ブドウを使いながら、果皮と接触させて醸造することで、白ワインの酸や果実味に加えて、果皮由来の渋みや複雑な香りを持つものがあります。
この白ワインと赤ワインの中間のような性格が、パテとうまく馴染むことがあります。
豚肉やレバーの旨味には、ある程度ワイン側にも力強さが欲しい。
でも、重たい赤ワインでは少し強すぎる。
そんなときに、オレンジワインの酸、香り、わずかな渋みが、ちょうどいい橋渡しをしてくれることがあります。
ナチュラルワインなら何でもパテに合う?
グロワグロワでは、豚肉料理に合わせてナチュラルワインを扱っています。
ただし、「ナチュラルワインだからパテに合う」というわけではありません。
ナチュラルワインにも、軽やかな赤、しっかりした赤、シャープな白、厚みのある白、オレンジ、ロゼ、泡など、さまざまなタイプがあります。
大切なのはカテゴリーそのものではなく、
そのワインがどんな酸、果実味、香り、渋みを持っているのか。
そして、それが目の前のパテとどう重なるのかです。
ワインの香りについては、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
「パテにはこのワイン」ではなく、パテそのものを見る
実際に料理とワインを合わせていると面白いのは、「パテならいつでも同じワインが正解」というわけではないことです。
肉の配合、脂の量、レバーの風味、スパイス、塩味。
さらに、一緒に食べるパンやマスタード、ピクルスによっても印象は変わります。
だからこそ、
「パテだからこのワイン」ではなく、「このパテなら何を飲みたいか」。
料理を見てからワインを考えることが大切だと私たちは考えています。
赤ワインを合わせることもあれば、白やオレンジを合わせたほうが面白いこともあります。
料理をひと口食べて、ワインをひと口飲む。
そこで料理の印象が少し変わったり、逆にワインからそれまで気づかなかった香りを感じたりする。
そんなところに、料理とワインを合わせる面白さがあります。
たとえば・・・こんなワイン。
グロワグロワの店内でも人気いただいているパテですが、当店の場合は日々用意しているワインが変わるので、それこそ一定のワインをペアリングとしてご提案するということはありません。
ここまで述べたように特にお客様がいま何を飲みたいのかを意識してご提案することが第一です。
身も蓋もありませんが、その人がその時に飲みたいものと食べたいものを食べること以上に幸せなことって無いですからね。
そのうえで、ご提案するわけです。
たとえば、意外と酸に敏感なお客様は多い、という印象があります。
ワインは酸を持った飲み物ですので、その強弱をお伝えします。
そして酸が気にならない方なら、キリッとした酸のある爽やかな白ワインと、パテにマスタードを付けて召し上がっていただくようにご提案。
前述の通り、マスタードに使われるヴィネガー由来の酸が良い相性をみせてくれます。
一般的にワインショップや酒屋さんで手に入りやすいものですと
フランス、ロワール地方のソーヴィニヨン・ブラン
アルザス地方のリースリングなどは、割とタイプを選ばず酸があり相性も良いのではないでしょうか。
さらに嬉しいのはお値段も手頃なものを探しやすいところです。
あとは最近注目されているブルゴーニュ地方のアリゴテも、酸が非常に伸びやかで美味しいものが多く、何よりマスタードの発祥の地なので要チェックかも知れません。
酸が苦手な方なら、ワインの酸を抑えてセオリーの赤ワインは本命の選択肢となります。
赤ワインではマスタードや酸よりパテの味自体に注目したほうが、ペアリングのイメージがより捉えやすい気がします。
当店の場合はレバーのコク、焼成後の熟成からくる旨味や風味が売りですので、そこに合わせるイメージです。
それでも、肉汁滴るステーキとは違いますので、タンニンの強すぎる赤ワインというよりはミディアムボディくらいの物が良いかと思いますが、軽やかでフルーティな赤ワインよりは、多少の深みや熟成感、野性味、スパイスのニュアンスといった、よく赤ワインの説明でよく聞くキーワードが当てはまるようなものが良いでしょう。
酒屋さんで探されるのであれば、
南仏ラングドック地方のグルナッシュ、ローヌ地方のシラーなど。 果実味の厚みがあったり、ちょっぴりスパイシーなニュアンスが好相性をみせてくれます。
欲を言えば少しだけヴィンテージの新しすぎないもの=熟成感を狙ってみたり、
あるいはヴィエイユ・ヴィーニュということばあるのですが、要するに高い樹齢のぶどう樹から造られるワインですが、このあたりですと若いワインとはちょっぴり違う深みやコクがあり、いわゆる「重さ」とは違う方向性の飲みごたえが感じられてパテの複雑な味とバッチリかと思います。
オレンジワインに関しても同様です。
ワインを選ぶ際は、酸があるタイプのすっきり系なのか、複雑で深みのあるコクウマ系なのか、両者でチョイスを絞ってみてください。
豚肉とワインの組み合わせは、もっと幅広い
今回はパテ・ド・カンパーニュを中心にご紹介しましたが、豚肉料理とワインの組み合わせはさらに幅広くなります。
例えば、脂のしっかりした部位と赤身の強い部位では、合わせたいワインは変わります。
同じ豚肉でも、炭火焼き、煮込み、コンフィ、シャルキュトリーでは、料理の香りや脂の感じ方も違います。
つまり、
豚肉 × 部位 × 調理法 × 脂 × ソース × ワイン。
この組み合わせを考えていくと、「豚肉には赤ワイン」という一言では収まらない世界が見えてきます。
浅草・観音裏のグロワグロワでは、その日の豚肉の部位や調理法を見ながら、ナチュラルワインをご提案しています。
「この料理なら何を飲んだらいい?」
そんなときは、ぜひ気軽に聞いてください。
料理からワインを選ぶ楽しさを、実際の一皿と一杯で感じてもらえたら嬉しいです。


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