豚の部位ごとの“甘味・旨味の違い”を解説|豚肉専門店の視点
- 栗山 裕二

- 2 日前
- 読了時間: 5分

同じ豚肉でも、肩ロース・ロース・バラ・モモ・フィレ などの部位ごとにまったく別の味の方向性を持っています。
その違いは単なる「脂が多い/少ない」ではなく、科学的に説明できる要素――つまり、
脂肪酸の組成
筋繊維の密度
コラーゲン量
水分保持力
火入れ後の香り成分
が大きく関わっています。
この記事では、「豚肉の甘味と旨味はどこで生まれるのか?」を科学の視点でわかりやすく解説し、料理としてどう活かされるのかも紹介します。
目次
1. 豚肉の甘みと旨みはどこからくるのか?
豚肉の味を左右する主な成分は以下です。
● 甘味の正体
脂肪中の脂肪酸(オレイン酸の比率)
グリコーゲン(筋肉中の糖)
アミノ酸(アラニン・グリシンなど)
● 旨味の正体
イノシン酸(豚の旨味の中心)
グルタミン酸
コハク酸
加熱で生まれるメイラード香
部位ごとにこの成分バランスが違うため、甘味・旨味の印象が劇的に変わる のです。
2. 部位ごとに味が変わる理由
部位差は以下の要素で説明できます。
脂肪の量と質(脂肪酸組成)
筋繊維の太さ・密度
コラーゲン量(筋の使われ方)
水分保持能力(加熱後のジューシーさ)
脂の融点(溶ける温度)
これらが違うため、同じ品種でも“別の肉”のようになります。
3. 【部位別①】肩ロース:バランス型で“旨味の中心”
肩ロースは甘味・旨味・香りが最もバランスよく詰まった部位。
特徴
赤身と脂の比率が絶妙
繊維の方向が複雑 → 噛むほど旨味が出る
コクがあり香りが立つ
品種差が最も出やすい部位
味の方向性
濃厚
深み
焼いたときの香りが強い
ブランド豚の味の比較は肩ロースが最適 な理由です。
グロワグロワのローストポークがこの部位を使う大きな理由です。。
4. 【部位別②】ロース:繊細で甘味が最も出やすい
ロースは筋繊維が細く、脂の質による甘味が一番わかりやすい部位。
特徴
脂肪が上品
火入れすると繊細な甘味
甘味=脂の質がダイレクトに出る
しっとりした食感になりやすい
味の方向性
ミルキー
上品
軽やか
金華豚(Kinka) の魅力が最も引き立つ部位です。
ローストポークで肩ロースを推しておきながら金華豚ではロースがイチオシだったりします。
それは、脂のサシがきめ細かくPMS(ポークマーブルスタンダード)が最高ランクだからだと
思います。

5. 【部位別③】バラ:脂の甘味と香りが主役
バラは豚肉の“甘味の核心”。
特徴
脂が多く層状
脂肪酸の質で味が激変
焼くと香りがはっきり立つ
旨味より“甘味”が主役になる
味の方向性
濃厚だけど軽い
脂の甘さ
ロースト香が強い
融点の高いアグー・サドルバックはバラを焼くと一気に香りが前に出ます。
6. 【部位別④】モモ:赤身らしさ・軽さ・深い旨味
モモは筋肉としてよく使われる部位のため、「赤身らしさ」と「しっとり旨味」が両立する。
特徴
脂は少ない
繊維はしっかりめ
旨味成分が強い
火入れで柔らかくする料理が合う
味の方向性
じんわり旨味
素朴で深い
料理次第で表情が変わる
コンフィ・スチーム調理で真価を発揮します。
7. 【部位別⑤】フィレ:繊細でクリアな味
豚肉で最も脂の少ない部位。火入れが命。
特徴
脂が非常に少ない
しっとり柔らかい
繊細な味わい
香りは控えめ
味の方向性
クリーン
上品
優しい旨味
ブランド豚の“質の高さ”が一番クリアに分かる部位 です。
8. ブランド豚×部位で味はどう変わる?
組み合わせると、もっと面白くなります。
● 金華豚
ロース → ミルキーで甘味
肩ロース → とろける脂
バラ → 軽い甘味
● 今帰仁アグー
肩ロース → 旨味の押し
バラ → 香りの立ち上がりが強い
モモ → じんわり旨味
● サドルバック
バラ・肩ロース → 香ばしさ最大化
フィレ → クリアな赤身の香り
この「部位×ブランド」の掛け算こそ、豚肉の最も楽しい部分です。
9. グロワグロワで“部位ごとに調理を変える”理由
“部位の特徴を鑑み、火入れを変えているから”
ロース → 低温&ミルキーなアプローチ
肩ロース → 中温ローストで旨味最大化
バラ → グリル・ロースト香を強く
モモ → スチーム・コンフィで柔らかく
フィレ → 超繊細な火入れ
同じ豚でもまるで違う料理になる。これが専門店の面白さです。
10. 【店舗情報】浅草グロワグロワ
部位ごとに調理法を変える豚肉専門店 グロワグロワ
📍 東京都台東区浅草2-26-5 SDSビル102(ひさご通り商店街)
🍽 ランチ:¥1,280〜
🍷 ディナーセット:¥3,800〜
🥇 ディナーコース:¥5,500〜(要予約)
☎ 03-6231-6309🔗
11. 【ご予約案内】ブランド豚の“部位の違い”を楽しみたい方へ
部位ごとの甘味と旨味の違いは、文章で読むより“食べ比べ”が一番よく分かります。
金華豚・アグー・サドルバック。部位によって香りも甘味も変わる“豚肉の奥行き”をお楽しみください。
👉 【TableCheck:グロワグロワ ご予約ページ】



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