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豚の部位ごとの“甘味・旨味の違い”を解説|豚肉専門店の視点

マロンポークの肩部



同じ豚肉でも、肩ロース・ロース・バラ・モモ・フィレ などの部位ごとにまったく別の味の方向性を持っています。

その違いは単なる「脂が多い/少ない」ではなく、科学的に説明できる要素――つまり、


  • 脂肪酸の組成

  • 筋繊維の密度

  • コラーゲン量

  • 水分保持力

  • 火入れ後の香り成分


が大きく関わっています。

この記事では、「豚肉の甘味と旨味はどこで生まれるのか?」を科学の視点でわかりやすく解説し、料理としてどう活かされるのかも紹介します。



目次

1. 豚肉の甘みと旨みはどこからくるのか?


豚肉の味を左右する主な成分は以下です。


甘味の正体

  • 脂肪中の脂肪酸(オレイン酸の比率)

  • グリコーゲン(筋肉中の糖)

  • アミノ酸(アラニン・グリシンなど)


旨味の正体

  • イノシン酸(豚の旨味の中心)

  • グルタミン酸

  • コハク酸

  • 加熱で生まれるメイラード香


部位ごとにこの成分バランスが違うため、甘味・旨味の印象が劇的に変わる のです。




2. 部位ごとに味が変わる理由


部位差は以下の要素で説明できます。

  • 脂肪の量と質(脂肪酸組成)

  • 筋繊維の太さ・密度

  • コラーゲン量(筋の使われ方)

  • 水分保持能力(加熱後のジューシーさ)

  • 脂の融点(溶ける温度)

これらが違うため、同じ品種でも“別の肉”のようになります。



3. 【部位別①】肩ロース:バランス型で“旨味の中心”

肩ロースは甘味・旨味・香りが最もバランスよく詰まった部位。

特徴

  • 赤身と脂の比率が絶妙

  • 繊維の方向が複雑 → 噛むほど旨味が出る

  • コクがあり香りが立つ

  • 品種差が最も出やすい部位


味の方向性

  • 濃厚

  • 深み

  • 焼いたときの香りが強い

ブランド豚の味の比較は肩ロースが最適 な理由です。

グロワグロワのローストポークがこの部位を使う大きな理由です。。



4. 【部位別②】ロース:繊細で甘味が最も出やすい


ロースは筋繊維が細く、脂の質による甘味が一番わかりやすい部位。

特徴

  • 脂肪が上品

  • 火入れすると繊細な甘味

  • 甘味=脂の質がダイレクトに出る

  • しっとりした食感になりやすい

味の方向性

  • ミルキー

  • 上品

  • 軽やか

金華豚(Kinka) の魅力が最も引き立つ部位です。

ローストポークで肩ロースを推しておきながら金華豚ではロースがイチオシだったりします。

それは、脂のサシがきめ細かくPMS(ポークマーブルスタンダード)が最高ランクだからだと

思います。



金華豚のロース


5. 【部位別③】バラ:脂の甘味と香りが主役


バラは豚肉の“甘味の核心”。

特徴

  • 脂が多く層状

  • 脂肪酸の質で味が激変

  • 焼くと香りがはっきり立つ

  • 旨味より“甘味”が主役になる


味の方向性

  • 濃厚だけど軽い

  • 脂の甘さ

  • ロースト香が強い

融点の高いアグー・サドルバックはバラを焼くと一気に香りが前に出ます。




6. 【部位別④】モモ:赤身らしさ・軽さ・深い旨味


モモは筋肉としてよく使われる部位のため、「赤身らしさ」と「しっとり旨味」が両立する。


特徴

  • 脂は少ない

  • 繊維はしっかりめ

  • 旨味成分が強い

  • 火入れで柔らかくする料理が合う


味の方向性

  • じんわり旨味

  • 素朴で深い

  • 料理次第で表情が変わる

コンフィ・スチーム調理で真価を発揮します。



7. 【部位別⑤】フィレ:繊細でクリアな味


豚肉で最も脂の少ない部位。火入れが命。

特徴

  • 脂が非常に少ない

  • しっとり柔らかい

  • 繊細な味わい

  • 香りは控えめ

味の方向性

  • クリーン

  • 上品

  • 優しい旨味

ブランド豚の“質の高さ”が一番クリアに分かる部位 です。



8. ブランド豚×部位で味はどう変わる?


組み合わせると、もっと面白くなります。

● 金華豚

  • ロース → ミルキーで甘味

  • 肩ロース → とろける脂

  • バラ → 軽い甘味

● 今帰仁アグー

  • 肩ロース → 旨味の押し

  • バラ → 香りの立ち上がりが強い

  • モモ → じんわり旨味

● サドルバック

  • バラ・肩ロース → 香ばしさ最大化

  • フィレ → クリアな赤身の香り

この「部位×ブランド」の掛け算こそ、豚肉の最も楽しい部分です。



9. グロワグロワで“部位ごとに調理を変える”理由


“部位の特徴を鑑み、火入れを変えているから”

  • ロース → 低温&ミルキーなアプローチ

  • 肩ロース → 中温ローストで旨味最大化

  • バラ → グリル・ロースト香を強く

  • モモ → スチーム・コンフィで柔らかく

  • フィレ → 超繊細な火入れ

同じ豚でもまるで違う料理になる。これが専門店の面白さです。



10. 【店舗情報】浅草グロワグロワ


部位ごとに調理法を変える豚肉専門店 グロワグロワ

📍 東京都台東区浅草2-26-5 SDSビル102(ひさご通り商店街)


🍽 ランチ:¥1,280〜

🍷 ディナーセット:¥3,800〜

🥇 ディナーコース:¥5,500〜(要予約)

☎ 03-6231-6309🔗



11. 【ご予約案内】ブランド豚の“部位の違い”を楽しみたい方へ


部位ごとの甘味と旨味の違いは、文章で読むより“食べ比べ”が一番よく分かります。

金華豚・アグー・サドルバック。部位によって香りも甘味も変わる“豚肉の奥行き”をお楽しみください。



👉 【TableCheck:グロワグロワ ご予約ページ】



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部位ごとに調理法を変える豚肉専門店 グロワグロワ

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